水野魔利枝 Hazy nonfiction#42
カーテン生地/染料/木パネル/合成樹脂塗料
180×180mm
2024
11000
水野 魔利枝
1987 年 京都生まれ。2010 年 大阪成蹊大学 芸術学部 環境デザイン学科 テキスタイルデザインコース卒業 スマホで撮影した写真をもとにデジタルコラージュした画像をデジタル捺染/シルクスクリーンなどを中心。 形式を問わずアート・ファッション・プロダクト・など様々な形で京都で制作活動を行う。 主な展覧会2008 年・第 5 届国際繊維芸術双年展5th From Lausanne To Beijing International FIBER ART Biennale Exhibition (清華大学 / 北京)2010 年・京都工芸ビエンナーレ 2010 京都府美術工芸新鋭展 招待部門学校推薦 (京都文化博物館 / 京都) ・第 6 届国際繊維芸術双年展6th From Lausanne To Beijing International FIBER ART Biennale Exhibition (河南美術館 / 鄭州) 2017 年・DEISEL LIVING INSTALLATION 「THE WALL」byGENETO(DEISEL LIVING/ 東京) ・UNKNOWN ASIA 2017 (ハービスホール / 大阪) 2018年・ART stream2018(大丸心斎橋店/大阪)2019年 ・independent Tokyo 2019(ヒューリックホール浅草橋/東京)2021年・SICF22(スパイラルホール/東京) ・「柔らかい街」新村葉月・水野魔利枝 二人展(アトリエ三月/大阪)2022年・MOVE ON Yes, art goes on(シーサイドスタジオcaso/大阪)2023年・メタセコイア・キョウマチボリアートフェア2023(ZIZO/大阪)個展2015 年・「WONDER WALL」 (Gallery Pause/ 東京)2018 年・「DO OR DIE」 (アトリエ三月 / 大阪)2019 年・「NOIZE GIRL」 (TANADA ピースギャラリー / 京都)2020 年・「OHAYO- OYASUMI」(アトリエ三月 / 大阪) ・「melting pot」(同時代ギャラリー/京都)2023年 ・ DAYDAY DAY(Cafe ber TRINI/大阪)2024年 ・7gallery PRESENTS INSTALLATION “Focus on Space”(藤井大丸7Fイベントスペース/京都)
私の作品は、スマートフォンで撮影した街の風景やディテールを素材に、デジタルコラージュでまず画面を制作します。その制作した画面をテキスタイルに落とし込み、造形作品を創り出しています。スマートフォンで撮影する写真は、特定の国や場所に限定されるシンボル的なモチーフではなく、日常生活の中で見過ごされがちな何でもないディテールを捉えることに焦点を当てています。街であればどこにでも普通にあるような電線や配管、ダクトや草が伸び放題のプランターなど特別美しい風景ではなく人の生活経過、時間が見える既視感のある特別に必要とされていないような、いつか消えていくであろう風景を身近なツールであるスマホで収集しています。日々撮り溜めている時間も場所も違う写真を、一つのフラットな風景へデジタルコラージュで再構築していきます。デジタルコラージュする理由は写真(事実)を生のまま切り出し、再構成することで事実であって事実でない同じ空間時間を共有した「実際に在って実際には無い風景」を作り出せるからにあります。「実際に在って実際には無い風景」は記憶のような存在であり近くて遠く、懐かしさと新しさが共存する誰もが知っていて知らない風景であり誰しもに内在すると考えます。画面は布へと移され、外界の風景をインテリアや洋服などの室内に存在するプロダクト的な造形や衣類などの身に纏うものになり、外の風景を身の回りに取り込みます。外の世界を内に持ち込む。外界と内部の境界線を曖昧にし世界がフラットであることを強く意識すると同時にその世界さえもいつかは消える一瞬の風景であると考えながら制作しています。