新村葉月
trace 23S2_2
鉄板、ペンキ、ラッカースプレー、粘着テープ
240x240mm
2023
¥36,300 - tax in
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コンセプト
「街の壁」をテーマに平面作品を制作しています。
人が街に無意識に残す痕跡から掬い取れるものは、抽象と具象、偶然と必然が入り混じった、時間と共に進行し続ける事象です。現在進行形の出来事の結果として現れる視覚的な美しさに惹かれ、ライフワークとして壁の写真を撮影し記録しています。
また生成・更新され続ける壁の表面からは、連綿と続く人の営みや知らない誰かの存在、ひいてはこの世界の無限の広がりに思いを馳せることもできます。
特定の壁のイメージを模作するのではなく、壁の構成要素を調べて抽出し、 それらを組み合わせて最大公約数的な”壁”の作品を制作することで、バックボーンの異なる人々それぞれの記憶の中にある街の壁を呼び起こし、この世界を新たな目線で見つめ直す機会を提供します。
素材として、薄鋼板や木製パネルに建材用ペンキ(外壁に使用される塗料)を塗布したものをキャンバスとし、その他画材にもラッカースプレーや樹脂接着剤など工業製品を使用することで、素材感込みで街の外壁の表現を試みています。
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アトリエ三月では新村葉月の個展を開催します。
前回2020年以降、コロナ禍の移動制限がある中でアトリエ三月では大阪は勿論、東京や福岡などギャラリー以外での展示を多く開催し、新村とも多く行動を共にして参りました。そんな新村とのギャラリーでの2年半ぶり3度目の個展開催となります。
改めて新村の作品は、普段街の中で見つけた壁などに残る痕跡をイメージソースとし、絵画の中で再構成し作品へと落とし込みます。
一時はパネルなどの素材を用いて制作することもありましたが今回は全ての作品を鉄板を支持体として制作しています。
街の中の痕跡をテーマにしつつ、その移り変わりなども含めて作品に落とし込む新村にとって鉄を素材にするということはどうゆうことでしょうか?
いくらテーマが街の汚れたような壁であってもそれが美術作品になった時点でそれらは移り変わるものから普遍的な意味を与えられるでしょう。
新村は素材に鉄を用いることによって半強制的に作品が完成した後も錆の進行により変化をし続けるように制作します。それは画面に貼られたテープやシールも同様に剥がれたりひび割れたりすることもあるでしょう。
そんな中私たちは作品の錆が進行するさまを(写真で見比べるのではなく)自分の目だけで捉えることは容易にはできません。
シールが取れたことすらももしかすると彼女すら認識することができないかもしれない。
それほど私たちの目で見ている日々の記憶や情報とは曖昧なものです。
そんな中新村が作品の中で捉えようとしているものは絵画や抽象絵画における構図的な意味、歴史的な文脈に留まらず、決して美術作品であっても日々の連続性から抜け出せず、それらはいつであっても普遍的なものではないことを改めて認識させられます。
この機会に是非ご覧ください。
アトリエ三月
原康浩
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略歴
大阪教育大学大学院 芸術文化専攻卒
<個展>
2016年 「痕跡ーTracesー」(MU東心斎橋画廊/大阪)
2018年 「都市に生きる」(アトリエ三月/大阪)
2019年 「揺れる断片」(芝田町画廊/大阪)
2020年 「Unpredictable X」(アトリエ三月/大阪)
<アートフェア・イベント出展>
2015年 「あかマルシェ2015」(中之島公園/大阪)【MU東心斎橋画廊賞】
2016年 「第9回 協同企画展 おんさ」(la galerie/大阪)
「あかマルシェ2016」(中之島公園/大阪)【アトリエ三月賞】
2017年 「artstream2017」(大丸心斎橋劇場/大阪)【FM802/digmeout賞】
2019年 「art start up 100」(代官山ヒルサイドフォーラムF棟/東京)
2020年 「100人10」(ログズビル/東京)
「ART OSAKA WALL by APCA」(山川ビル/大阪)
2021年 「SICF22」(スパイラルホール/東京)
「OSAKA LAUGH&ART 2021」(大阪市中央公会堂/大阪)
2022年 「ART!ART!OSAKA 2022」(大丸梅田店15階/大阪)
「Art goes on 2022」(海岸通ギャラリーCASO/大阪)
「3331 ART FAIR 2022」(3331Arts Chiyoda/東京)
<グループ展・企画展>
2013年 「やまのこ」(パライソギャラリー/大阪)
2014年 「桃いろ展」(ギャラリー風雅/大阪)
修士制作展「杉崎里沙子・新村葉月 二人展」(ホルベインギャラリー/大阪)
2015年 「151人展」(ギャラリーそら/大阪)
2016年 「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)
「スマホケース展」(ギャラリーhana*輪/大阪)
2017年 「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)
「形/form」(アトリエ三月/大阪)
2018年 「風雅10周年記念展」(ギャラリー風雅/大阪)
「Showcase -The selection-」(アトリエ三月/大阪)
「Only One Exhibition」(Gallery Blau Katze/大阪)
2019年 「第1回大阪アンデパンダン展」(gekilin. /大阪)
「Leaves」(galerie16/京都)
2020年 「梅田0号展2020」(芝田町画廊/大阪)
「Whereabouts OSAKA」(アトリエ三月/大阪)
2021年 「Whereabouts in TOKYO」(ターナーギャラリー/東京)
「Leaves 2」(galerie16/京都)
「中崎百景inレトロ印刷JAM」(レトロ印刷JAM、協力:中崎町博覧会/大阪)
「40+ ARTISTS FIRST EXHIBITION」(JITSUZAISEI/大阪)
「3trois.」(gekilin./大阪)
「Whereabouts artfair ""Many Many""」(BEM gallery/福岡)
「柔らかい街」水野魔利枝・新村葉月 2人展(アトリエ三月/大阪)
2022年 「Whereabouts TOKYO 2022」(ターナーギャラリー/東京)
「Leaves vol.3」(galerie16/京都)
「PICK UP SHOWCASE vol.33」(アトリエ三月/大阪)"